真白ちゃんに好きな人がいることは知っていても、名前は知らなかった。 「優斗さんっていう人が、真白ちゃんの好きな人ですか…?」 葵ちゃんが確かめるように聞いた。 「そうだよ。優斗は俺の親友でもあるんだけど…真白は何も言ってなかったんだな。」 すると真白ちゃんが、 「ただいまー!」 と、帰ってきた。 「お帰り、真白。」 お兄さんが優しく言った。 俺は、真白ちゃんのことを、本当に何も知らないんだなぁ、と改めて思った。