「由樹くん…」




振り返ると、由樹がいた。




振り返らなくても、声で分かるんだけどね。




「ねぇ、由樹くん。私の話、聞いて…?」




そう聞くと、




「うん。聞きたい。」




と、言ってくれた。




私はまた、空を見上げた。




「由樹くんは、この季節好き…?」




そう聞くと、




「…好きだよ。」




と、由樹くんが答えた。




「私ね、この季節が大好きなんだ。雪がね、大好きなの…」