「.....いや、なんでもない。
それよりさー、高野って、あの高野の双子先輩の弟なの??」
『あー、そだよー。てか、"静久"でいいよ!』
「ん、了解。んじゃ、俺のことも朔夜な?」
てか何気、理人以外の男の名前呼び捨てで呼んだことなかったかもなー
.....こんな時も、理人か
こんな調子じゃ、まだ、吹っ切れてないってことなのかな....
『はは、分かったよ、"朔夜"』
「っ////(...あー、俺、静久が笑うたび、こーなっちゃうんかなw)」
ガラララッッ
「おーい、席つけよ〜」
担任の先生と思われる人が入ってきて、自然に朔夜との会話が終わった。
.....クラス発表の掲示板に書かれていたあの名前が、怖くて、教室を見渡すことは決してしなかった。
"菅田理人"
同姓同名の人がいただけであって欲しいって気持ち。
ただただ、理人の顔を見たいって気持ち。
確かに、私の心には、二つの気持ちが存在していた。
