「えっ?!」
私は、咄嗟に先生を見た。
「…前に言ったことあるでしょ?
俺はその気持ちの正体を知ってる。って
だけど、自分で好きか違うか見極めろって。」
小さく私は頷く。
「あぁー、やっと言ってくれたなって
思ってさ。…すごく嬉しい。」
先生は満面の笑みで。
だけど、少し顔を赤らめているところが
可愛いと思った。
「…これで、俺の彼女は桜ちゃん。
桜ちゃんの彼氏は俺。」
私に……彼氏が…できた…んだ。
私の彼氏は…榎本先生…。
胸がドキドキして、ウキウキして、なんとも言えないこの気持ち。
「…秘密の恋人だね。」
「秘密…?」
「そう。…付き合ってる事は桜ちゃんと俺、二人だけの秘密。」
あぁ。そっか。
江梨子が前に言ってた。
「…禁断の恋…。」
「あはは、そうだね。禁断の恋だ。
だから誰にもバレちゃダメ。分かった?」
しまった…。
声に出してた…。
笑いながらそう言う先生は、本当にほわほわしてて、可愛くて、かっこいい…。
「…秘密にします。」
「ん、いい子。…バレるかバレないか
っていうハラハラドキドキでまた面白そうじゃん?」
「ちょっ…なに言ってるんですか…!!」
二人で笑いあってるこの時間。
とても心地よかった。
「じゃぁ、こうしよっか。
二人きりの時は、敬語なし。呼び捨て
で言う事。分かった?」
「えー。よく聞き取れなかったんだけどー。もっかい言ってー。」
「聞き取れてるでしょ?ちゃんとタメじゃん。」
こういう楽しい時間がいつまでも続けばいいな。
今は素直に言えちゃうよ?
抱き締められるのも、
キスされるのも、
……全部好きって
これからは、もう素直な自分でいられるよ?
「好きだよ。」
「…私も。」
そうでしょ?
………日向。
