「…パパを好きになったのは本当に単純な理由なのよ?」
…単純、か…。
「一目惚れだったの。パパはママの大先輩でねぇ…。ママとパパは年の差があるけど…若い頃のパパは本当にかっこよかったのよ?今もかっこいいけど、ふふ。」
本当にパパが好きになんだな…。
一目惚れかぁ…。
好きってなんだろ…。
「パパはね、優しくて…何てったって、笑顔が素敵なの。
…その笑顔を見たとき、こう…何て言うか…胸が締め付けられるような感じがして…。
…嫌な痛みじゃないのよ?
何て言うか…説明できないような…うーん…。…桜も恋をすれば分かるわよ、きっと。」
胸が…締め付け、られる…。
決して…嫌な痛みじゃない…?
“榎本先生”
ふと、先生の名前が浮かび上がった。
ママの恋愛感情は、私の感じてる気持ちとピッタリ一致してる…。
先生の笑顔って、温かくてずっと見ていたいんだ。
あの抱き締める腕も、あの瞳も、あの声も…全部が、心地いいの。
…もしかして、私は…先生が…好き…?
なわけないか…。
ママはママ。私は私。…だよね…?



