先生と喋りながら、家へと向かっていると、気づけばもう家の目の前で。

…時間…短く感じたな…。

「何か、けっこうな時間一緒にいたのに、時間たつのって早いね…。」

あ…私と同じ事考えてる…。

「そうですね…。」

きっと私は…先生と離れるのが嫌なんだ。
…先生と一緒にいたいって望んでる。
だから、こうして家に着いても、家に入ろうとしないんだ。

…こんなの初めてだ…。

「…体冷えちゃうから、もう家に入りな、ね?」

「…はい。」

…胸が痛む。
この痛みは…嫌な感じ…。

「じゃあね。」

やだ…。いってほしくない…。
こんな事思ってるなんて、ほんとおかしいかも知れない。

だけど…行かないで先生…。

気づけば私は、先生の服の裾を掴んでいた。


「どした?」


…ダメだ…。私、何やってんだろ…。


「いっ、いえ!!…何でもありませんっ!!」


服の裾を掴んでる手をすぐ離し、家へと入ろうとした…が。


それは、先生によって阻止された。