先生と唇が離れると、後ろの方から、男の人の声が聞こえた。
「…彼氏持ちかよ…。」
男の人は、何事もなかったかのようにその場から去っていった。
「…先生…あの…?」
「…知りたいんでしょ?」
私は、ゆっくりと頷いた。
…今さっきのでだいたい想像出来るけど。
「…ストーカー、だよ。」
「……。」
案の定そうだけど。
自分がストーカーにあったことが信じられなくて、言葉が出ない。
「一緒に帰ってるとき、あの男が、俺たちのあとをつけてた。
…桜ちゃん目的だろうけど。」
だから、あの時行き方を変えたり、歩く速さを速めたりしたんだ。
……きっと私は、一人だったら助からなかったかもしれない。
先生がいてくれたから…私は今ここにいることが出来る。
そうだよね。
絶対、一人だったらこんな冷静じゃないし、頭の中真っ白だよね…。
「…あの…ありがとう…ございます…。」



