気づけば、もう6時を時計の針は指そうとしていて。


「これで、いつでも桜ちゃんと繋がってられるねっ!!

じゃぁ、帰ろっか。俺、書類持つねー。」


先生は、スマホをスーツのポケットにいれると、重い書類を軽々と持ちあげた。

…力、あるんだな…。

それが、よけいに男性だということを
感じさせる。


「桜ちゃん?どしたの?具合悪い?」

「え?!…いや、ただ…考え、事を…。」


心配そうに覗きこむ先生の目を見るのが恥ずかしくて、自然と視線は下へ、声はどんどん小さくなっていく。


「具合悪かったら言ってね。」


優しく微笑みかける先生。
私は、こくこく頷いた。