図書室に着いた私は、勢いよく扉を開けて、本を読む机の方へ向かった。
「日向…っ……!!」
必死に名前を呼びながら、机の方へ行く。
だけど、日向はいなかった。
ん……?本……?
日向がいつも座っていた、私のお気に入りの席に、1冊の本が置いてあった。
近づいて見ると、それは…、
「大空……。」
大空だった。
きっと…いや、絶対……日向が置いたんだ…。
大空をもつと、何かが挟まっているのが分かった。
「…何…?」
一番最後のページにそれは挟まっていた。
ページを開くとともに落ちてきたブレスレットと1枚の紙。
「嘘……。」
ブレスレットはリーフの模様で。
日向とのお揃いの……。
何で……、
落ちてきた紙には何かが書いてあった。
「昨日、嘘言ってごめんね。
やっぱり、俺と一緒にいたら、
桜は幸せになれないよ。
桜には幸せになってほしいから。
嘘ついた俺を許してくれる?」
そう書いてあった。
やっぱり、昨日のあの言葉…嘘だったんだ…。
…嘘つくの下手くそだよ…日向…。
ふと、大空の最後のページが目に入った。
「もう、俺の事は忘れてください。
貴女の幸せが俺の幸せだから
どうか、幸せになってください。
…大切な思い出をありがとう。」
涙が出た。