『……俺だけじゃダメですか?』

『え?』

『…さく……舞姫さんには良い人生を歩んでもらいたいんです。

確かに付き合っていました。
しかし、もう関係はたちきりましたし、
どちらか一人を学校からいなくならせるのであるのならば、


俺を辞めさせるのが一番良いのではないのですか?』



校長先生は、数分悩んだ後、口を開いた。



『…榎本先生がそうおっしゃるなら、
その通りに致しましょう。

……その代わり、手続きはこちら側でしときますので、申し訳ありませんが、今から荷物をまとめてこの学校から……、』


『はい…分かりました。辞職手続きよろしくお願いします。

……お世話になりました。失礼します。』



校長室を俺は出た。

はぁ……やっぱり、桜と関係たちきっといて良かった……。


このまま付き合ってたら、桜の人生を壊す所だった…。




昨日……桜にあんな嘘言っちゃったけど……これで良かったんだよね…。



……でも、誤解されたまま…終わるなんて俺は好きじゃない。


来てくれるかどうか分からないけど……、手紙でも書いて、図書室の机に置いておこっかな……。


……来てくれる確率は多分低いけどね。


昨日の件で桜はきっと俺を嫌いになったよ。


胸が痛む。

桜を見ることが出来なくなる事がすごく辛い。





だけど、そこまでする必要があったんだ。










桜……。

ごめんね。


まだ、全然大好きなのに。
大好きじゃおさまらないくらい好きなのに。



…桜の人生を壊したくない…。



嘘ついた俺の事…許してね…。


















………大好きだから、さようなら…。