「あのっ…昨日のっ……」

「私をベッドまで運んでくれたの………さ…桜ちゃん……?」


素のめいちゃんが、初めて私を名前で呼んでくれた…。

やっぱり、めいちゃん変わった…?


「楓君と私だよ。」

「そ、そう……まぁ、ありがとう。…とでも言っておきましょうか…?」

「ふふっ……」

「何よっ…!!笑っちゃって…!!!!
別にっ…日向先生を諦めたわけじゃないんだからっ……!!!!」


めいちゃんって……普通にいい子だ…。
本当の気持ちを正直に伝えられない不器用な可愛い女の子何だ。


日向の事諦めてないと思う。
これは本当の事だと思う。


…だけど、今なら思うよ。
めいちゃんは私の良きライバルだって。



「……桜ちゃんが日向先生と付き合ってても……私は諦めないんだから。

だけど、今度はちゃんと正々堂々戦うわ。……お分かり?!」

「うん。うけてたつよ。……めいちゃん。」



めいちゃんは少し照れくさそうに笑ったけど、見られたくないのか「あっち行って。」と追い返されてしまった。



本当のめいちゃんを知れて良かった。



自然と笑顔になる。
明るい気分で、私は江梨子の方へ戻った。