「………俺を選べ、桜。」

「楓君……。」

「桜が好きなんだ。榎本先生と付き合うより、俺と付き合った方が悲しまないで済む。


……だから、俺を選べ。」



抱き締める腕を強める楓君。

彼の気持ちが、強く、強く伝わってくる。


だけど、私は楓君を抱き締め返せなかった。



だって、私は……、



「…日向が好き…。」



日向が好きだから。

どんな辛い事でも、乗り越えようって決意したから。


…だから、私は…



「楓君とは付き合えない…。」



禁断の恋でも。

皆に後ろ指さされても、私は日向とずっと一緒にいるよ。


約束したの…。


“俺たちはさ、ずっと一緒にいよーよ”


あの言葉…嬉しかった。

約束通り、私は日向とずっと一緒にいるよ。






…ずっと、ずっと。