教室へ入ると、まだ皆席には座ってなくて。
あ…。話を聞くのに夢中になりすぎて、オレンジジュース半分以上も残ったまんまもって帰ってきちゃった…。
どうしよ…授業中飲むわけにはいかないし…。
そう思ったとき。
「あ、オレンジジュース。
……もーらいっと。」
横からそんな声が聞こえてきたかと思うと、右手に持っていたオレンジジュースはいつのまにか消えていた。
「あ。」
横を向けば、クラスで人気者の桑原 楓
(クワハラ カエデ)君だった。
ていうか…オレンジジュース飲まれてるんだけど…!!
オレンジジュース大好きなのに…。
「お前、飲むのどーせおせぇし、俺が飲んでやってんの。分かる?」
「分かりません…!!」
まぁ、飲むのおそいっていうのはあながち間違いではないけど…。
まさか…困ってる私を助けてくれたのかな…。
……なーんて。
確かに、楓君はいい人だし、そういう事さりげなくしそうだけど、ただオレンジジュースが飲みたかっただけだよね。
しかも、私にそんなことするはずないし…。
可愛くないし、背も低いし…。
いろいろと欠点ばかりだから。



