空を見上げれば、雲ひとつない清々しい空。

まだ秋になりたての今の時期は、吹く風もちょうどよくて、気持ちが良い。

キンモクセイの良い香りが、秋らしさを感じさせる。


良い香り…。




***



学校に着くと、いつものように自分の席にバッグを置いて、江梨子とお喋りをする。

いつもとちょっと違うのは、やけに廊下が騒がしい。

騒がしいのはいつもの事だけど、そういう騒がしいじゃなくて、女子のテンション高い…あのキャーキャー言うやつ。



「…ねぇ、ちょっと気にならない?」

「えっ…そうかな…。」



江梨子の目はキラキラしてて。
すごく気になってる事が分かる。



「…じゃ、じゃぁ少しだけ見てみる?」

「うんっっ!!!」