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「それで、それでー?お家デートでは何したってー??」

「だっ…だからっ…そのっ…」


お家デートを終え、月曜日を迎えた午後。


お弁当を食べながら、私は江梨子に質問攻めされていた。


「あっ…!!そう言えばっ!!
楓君から勉強会誘われて……。江梨子勉強会した?」

「あー!!したした!!……って、話をそらすなー!!」



うっ……すみません…。
だって……江梨子声でかいから…。

……でも、勉強会したんだぁ~…。



「桜勉強会来なかったじゃん?
楓その事めっちゃ残念そうにしてたよ?」

「えっ……」



そんな残念だったのかな……。
勉強会なのに……。

今度誘われたら、約束通りちゃんと参加しよ。



「桜、お家デートって……まさか…」



後ろから、楓君の声が聞こえた。


「?!……かっ…楓君!!」


嘘ついた事バレちゃう……!!
どうしよう…!!


「榎本先生と……だよな…?」

「……ごめんなさい…。嘘ついて…。」


一瞬、楓君が悲しそうな顔をした。
……胸がズキズキする…。

嘘ついた事への罪悪感。

それだけだった。



「…ごめん…なさい…。」

「大丈夫だから…っ…また今度……
誘うな、勉強会っ……!」

「う……うん…。」



……楓君……無理して笑ってる……。
ごめんなさい…本当に……。


心のなかで、私は何度も何度も謝った。