[桜、ついた。]

日向からのLINEをスマホが音を鳴らして教えてくれる。


ふふっ。着いたって。


「わーい♪」と跳び跳ねるように立ち上がった私は、荷物を持って玄関へ向かった。


扉を開けてみれば、私服の日向が車に寄りかかって待っていた。


「ひゅーが。」

「あ、桜。俺持つから、かして?」

「あ、はい、どうぞ。」


私服の日向……。
そんな新鮮な日向にドキドキしつつも荷物を渡す。

…お洒落さんなんだな…。



「ほらっ、桜乗ってっ。」



今日は一段と寒い。
それを気遣ってか、私を車の中へ急がす。


乗り込むと、中はもうぽかぽかするくらい暖かかった。


「はーい、しゅっぱーつ!!!!」


日向の明るい声とともに車は動き出した。

私の家から日向の家はそう遠くないから、きっとすぐ着くんだろうな…。


そんな事をぼんやり考えながら走る車に揺られていた。



案の定、10分程度で着いてしまった。


「そこが俺ん家だから、先入ってて。」

「分かったー。」


返事をしながら、日向から渡された家の鍵でなかにはいる。


そっか、そっか。
日向って一軒家だもんね。


外見もそうだけど、中にはいると広さが目立つ。

一人では広々とし過ぎてるくらいだった。



「お邪魔します。」

「くすっ……ようこそ。」


日向の部屋は二階にあるみたい。

部屋に私の荷物を置いてくるから、そこのソファにでも座っといてと言われた私は、素直にソファに腰かけた。



……日向って…ちゃんとしてるんだな…。