日向が向かった先は保健室だった。
中へ入ると、先生はいない。
……私と…日向…だけ。
日向は私を椅子に座らせる。
「桜…何で黙ってたりしたの…」
「ごめんなさい…。」
「俺は、謝罪を求めてるんじゃないの。
……理由を言って?」
「……迷惑かけたくなかったから…。」
「俺がいつ迷惑だとか言った?
逆に、ちゃんと言ってねって、一緒に解決しよって言ったでしょ?」
「うん……ごめん…。」
ため息を溢す日向は、謝る私をそっと抱き締めた。
日向の温かい気持ちが伝わってくる…。
じんわりと…じんわりと…心に染みてゆく…。
自然と…目から熱いものがこぼれた。
肩が震える。
止めどなく流れるそれは、どんどん量が増していく。
……胸が張り裂けそうだった……。
「うっ……ひっく……ひゅっ…が…」
「うん。」
「こわっ…かった…のっ……ひっく…」
日向をぎゅっと抱き締め返す。
……私はこわかった。
本当にあの言葉通り……殺されちゃうんじゃないかって……。
「…かなっ…しかったっ……うっ…」
「うん。」
悲しかった…。
日向に言えないことが、悲しかった…。
「ひゅ…が……ひっく…。」
「うん。」
日向は、私の頭をよしよし撫でながら話を聞いてくれた。
優しく…相槌をうってくれた。
「……落ち着いた?」
「うん…。」
数分すると、涙も嗚咽もおさまり、冷静さを取り戻していた。
「今日は送ってく。俺車で今日来たから。」
「うん…。ありがと。」
どこまでも…私を気遣ってくれる…。
優しい人…。
温かくて……心地良いの…。
「……桜、脱いで。」



