「桜、先外出て門の所で待ってて。」
「分かったー。」
「すぐ行くから。」
日向の言葉に従い、私は門の所へ急ぐ。
他の生徒は、もう下校してくれていて。
良かった…。バレずにすむ……って、
…あれ。校門に……誰かいる…?
嘘…ヤバイ…日向に報告しとこうかな…。
一緒に帰ってるとこ見られたらヤバイし…。
スマホを取り出そうと、バッグの中をあさったとき、
「あ。桜!!!!」
ヤバイ…。どうしよう…。
「ったく。桜どこ行ってたんだよ。もうこんなに暗いのに…あぶねぇよ?」
「あ…あ、あ、あのっ。楓君どうして……」
「いや。ちょっと確かめたい事があったんだけど……多分勘違いだったわ。」
勘違い…?
一体何を知りたかったんだろ……。
「………まだ…痕ついてんね…。」
楓君の切ない顔…はじめてみた…。
元々顔立ちの良い楓君は誰にでも好かれて、人気があった。
……こんな光景を女子に見られたら、よけいにいじめはエスカレートするだろうな……。
「楓君…もしかして…ここで、私の事ずっと待ってた…?」
「あー。まーな。」
嘘…。一時間以上もここで待ってたの…?
今日は、けっこう寒いのに……。
何か…申し訳ない…。
「大丈夫だって。桜待つんだったら、俺別に時間とか気にしねぇし。」
「うん。ごめん。」
「大丈夫、大丈夫。」
楓君の笑顔は日向とは雰囲気が全然違う。
私…日向の笑顔大好きだけど、楓君の笑顔も嫌いじゃないな……。
やっぱり…笑顔って人を幸せにする……。
楓君が好きになる女子は幸せ者だなぁ…。
………………何て思ってみた。
数秒の沈黙が続いた時、
「さくらー。」
校舎から日向の声が聞こえた。



