「あ、そうだ。あの…さ、楓君と………何かあった?」
「………ううん。何もないよ?」
何……今の変な間。
なにもないってわけないでしょ…。
「そ、そっか…。」
だけど…これ以上何も聞かない事にする。
気になるけど…仕方がない…。
日向の腕時計をふと見ると、授業開始五分前。
もう……教室に戻らなきゃ。
日向と一緒にいれるこの時間がもう終わろうとしてる……そう思うと何か名残惜しくて。
「時間がたつのって本当にはやいね。
……もう授業始まっちゃうよ。
放課後まで、会うのはお預けだね。」
「そうだね…。」
そう答えるのが合図だったかのように、日向の抱き締める腕はどんどん緩んでいく。
…それがすごく…嫌だった。
……もっと…一緒にいたいよ…。
「だーいじょーぶ。放課後になったら
また俺と一緒にいられるから。ね?」
思ってる事が伝わっちゃったのか、日向はお日様みたいな明るい笑顔でそう言った。
日向の言葉や声には、甘さと包容力があるから……心地良いんだ。
「……うん。待ってるから。」
「うんっ!!」
私と同じ目線で話す日向。
…顔が近くて…ドキドキするよ……。
………早く…放課後にならないかな…。



