「こっち向いて。」
簡単には、そっち向かないんだから。
すると聞こえる「カチャリ」と鍵が閉まる音。
え。…鍵閉めた…?
「…口聞かないつもり?」
その問いに私は机に突っ伏しながら小さく頷いた。
こんな馬鹿馬鹿しい嫉妬…。
日向は呆れてるに違いない…。
「はぁ…。」
……日向のため息…。
やっぱり、呆れてるよね…。
「俺と口聞かないなんて、一生無理だと思うけど。」
え…?
「…っ?!」
日向からそんな言葉が聞こえてきたかと思うと、私は腕を掴まれて、強制的に日向の方を向かせられた。
「俺を見て?」
私は向かないって決めたら向かないんだから。
日向の要望に答える気がない私は、ふいっと視線を日向からそらした。
またもや聞こえる日向のため息。
「…っ!!」
日向に顎を軽く、くいっとあげられる。
「…まだ口聞かないつもり?…聞かないんだったら無理矢理にでも声出させるけど?」
…絶対に…喋らない…。
何を問われても答えない私を見た日向は
優しくだけどいたずらっぽく微笑んだ。
「…ふーん?…どっちが負けるか…楽しみだね。絶対俺が勝つと思うけど。」
…勝負するつもりはないけど…。
ここまできたら…負けたくはない。
そう思った時。
何か柔らかい感触にピリッと電流が走ったような小さな痛みが伝わってきた。
…え。……なに…?



