「あ、桜こんなとこにいた。」


後ろから、誰かの声がした。
振り返ると、そこには楓君が。


「か、楓君!!あの!!保健室まで送ってくれたのに、何かごめんね!!」

「いや、別に桜が悪いわけじゃねぇけど…。

てか、それよりさ、テラスの方で騒ぎがあったから駆けつけたら、女子らが桜がどーのこーのって…何かあった?」


え…。
そんな大事になってるの?!

日向ごときでそこまで大きな事になっちゃう何て…。

黙り込んでる私を楓君は見つめる。


「いや、楓桜は悪くないの。」


江梨子は私を庇うとさっきの出来事を事細かに教えた。


「マジか…大丈夫か?
何かあったら俺に言えよ?
ちょっと俺用事思い出したから、もう行くわ。」

「えっ…あ、うん…。」


何かと忙しい楓君はそう言うと、教室から出ていった。


「…すごいスピードで出ていったね…。」

「う、うん…。」

「いやぁ~でも、楓にもモテる桜ちゃん。うらやましいっ♪」


でも、江梨子にはお似合いの彼氏いるし、江梨子は私よりモテてますし…ね。


だけど、さっきからいろんな嫌な予感が重なってもうわけわかんない…。

私は、勘は鋭い方じゃないけど…
何か、楓君…日向に何かしようとしてる?



ダメ…勘違い…。

そんなことないって。


私は、心のなかで何回もそういい聞かせた。