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「ほんと何なのあの女子らっ!!!!ムカつく!!てか、桜謝んなくていいんだって!!」


教室へ戻り、残りのお弁当のおかずをつつきながら怒鳴る江梨子。


「あ、てか桜。榎本先生と何かあったでしょ?」


鋭い…。
江梨子は何でも分かっちゃうんだなぁ…。


「じ、実は…、あ、えと。…秘密だよ?」

「あったり前。」

「実は………お付き合いする事に…。」


小声で私はそう言った。


「は?!え?!…い、いつ?!」

「四限目の終りくらいに…」

「あぁー、保健室行ってたときか…。」

「あ!!だから途中で楓戻ってきたんだ!!
…楓戻ってきた時桜はもう榎本先生と一緒にいたって事ねぇ…ふーん…。」


いや、日向が強引に私を連れ去っただけですけど……



……って、あ!!
大事な事を聞かねば!!


「あ、ああ、あのさ!!楓君さ、教室に戻って来たとき、何か言ってた?」

「いや?別に何も言ってないよ?」

「ふ、ふーん……。」


何も言ってないって…。

普通ならポロっとそういう事言いそうだけど…。

でも…言わないでくれたことは感謝しとこう。

…それより、楓君に謝っとかなきゃな。