「麻十!!」
「琉李!!」
麻十の横には相田がまだいる。
「相田さんまたね。」
「なんですかぁ、それ??
前まで鈴ちゃんって呼んでくれてたのに...」
そう言って下を向いて鼻をすする。
そんなん演技だってばれてんだよバーカ。
「麻十、お兄ちゃんが呼んでたから早めに行きたいんだけど...」
「そーなの!?
じゃあ急いで行こう。」
「うん、ありがと。
じゃあね...相田さん...??」
お兄ちゃんが呼んでたなんて真っ赤な嘘。
家族ぐるみの付き合いなら相田も入る隙はないでしょ??なんて考えたり。
案の定、あの子は手を強く握って私を睨んでいた。

