『午後6時になりました。
図書室は閉館時間になりましたので、図書室内にいる人は忘れ物のないよう退室してください。繰り返します―』
松居先輩が図書室内にアナウンスをかける。
その間、私は図書室の中を点検する。
「すいません、もう閉館時間なので...」
「あ、すいません。
今片付けます!!」
そう言って片付けようとすると、ペンケースを落としてしまった。
運悪くチャックの開いていたペンケースから文房具が転がる。
「あ、ちょ...」
慌てて転がったペンを追いかける。
「ふぅ。セーフ...」
ギリギリ届く範囲で拾えたペン。
でも体を伸ばした先で見えたのは、
「麻十くん...っ」
麻十に抱きついていた相田だった。

