【完】私の彼は純粋くん。




「あのさ、麻十くんって甘いもの好きなの??」



「えっ!?
なんで知ってるの!?」



そりゃ、放課後の図書室で甘い笑顔でスイーツのレシピ集見てたら誰でも"甘いもの好き"ってわかりますよ。



「良かったら今度作ろうか...??」



「ほ、ほんとっ!?」



そんな喜んでもらえるとは...



「うん。そんなに手の込んだものは作れないけど...」



「俺、ミルクレープ食べたい!!」



「ミルクレープ??」



ミルクレープって、あのクレープの生地を焼いてクリームを間に挟むだけの??



「わかった、今度作るよ。」



あ、でもいつ渡そう...
そう考えてると、麻十くんは



「今度、俺の家で作ってくれませんか!?」



そっか、その手があったか。
...って、今の"お誘い"ですよね、これ。



って麻十くんはそーいう子じゃないもんね。



「いいよ。いつにする??」



話し合った結果、来週の土曜日に行くことになった。
来週の土曜日は、午前中は授業がある。なので
そのまま材料を買って麻十くんの家に行くことになった。





「じゃあ、また明日ね。」



学校と最寄り駅の中間ぐらいにある私の家。
麻十くんの家は最寄り駅から3駅ほど離れた場所にあるらしく、私を家まで送ってくれた。



「あのさ、明日からも一緒に帰れませんか!?」



私に何か聞くとき、敬語になる麻十くん。
緊張してるのが伝わるんだけど、顔を赤くするのが可愛くて、ついにやけちゃう。 



「うん、一緒に帰ろ。」



そう言うと、麻十くんは下を向いてしまった。



「どーしたの??
具合でも悪いの!?」



「そーじゃなくて、俺今日ワガママだなって...」



「え??」



なんかワガママ言われたっけ??