それからずっと麻十くんのことばかり考えていて、授業なんか頭に入らなかった。
「琉李ー!!
かーえーろ!!」
移動教室で音楽室に来ていた私たち。
自分がどうやってここまできたかわからないぐらいぼーっとしてた。
「笹峰さん??」
「はい??」
呼ばれて振りかえると、そこには麻十くんの友達の矢澤 大(Hiro Yazawa)くんだった。
「今日麻十休んでるからさ、お見舞い行ってやってくんない?
これ、麻十の家の最寄り駅からの地図」
そういって渡されたのは、商店街のお店なども分かりやすく書いてあった地図だった。
「あ、ありがと!!」
「麻十にもお大事って伝えといてー」
そう言うと大くんは教室に行った。
「ラブラブですね、姉さん!!」
そういって私の脇腹をつついてくる暁実。
「彼氏の看病とか行ってみたいなー!!」
なんて騒ぎながら。

