「また今度な」
自分で言っておきながら後悔する。そんな日が来るのか、と。
「約束ねっ」
その言葉に小さく頷く俺。
「それじゃ、もうすぐご飯だから帰るねっ」
鞄を持ってドア元へ向かう花音。
次に花音と会うのは明日。学校に行くタイミングが一緒だったら朝会えるけど、クラスが違うし、もしかしたら会えるのは、横田に返事をした後かもしれない。
花音が横田に想いを伝えてしまったら、俺の片想いはどうなるんだろう。
もしくは。
「か、花音」
俺が花音に想いを伝えてしまったら、俺の片想いはどうなるんだろう。
「ん?」
振り返る花音。
─────花音ちゃんのこと、好きなんだろ?
─────お前って、本当バカだな
「……ドーナツ、ありがとな」
伝えられるわけがなかった。
こんな小心者の俺に、そんな勇気は出せなかった。
「お安い御用!」
そんな笑顔、もう見せんな。
勘違いするから。
ドキドキさせられるから。
期待するから、もう見せんじゃねぇ。


