~Special Short Story~




「……るっ、はーるっ!」


花音の声で目が覚めた。って、目の前に花音の顔!?俺は飛び起きた。


「おっ、おまっ、何でココに……」


「ドーナツ持ってきたの!LINEしたんだけど、返事なかったから持ってこようか迷ったんだけどね」


買っちゃってたから、とドーナツが入ってるであろう箱を、左手で持ってチラつかせる花音。


スマホを見ると、花音からのLINEが来ていた。時計を見ると『19:02』の数字。うわ、もうこんな時間かよ。俺は帰宅してから寝ていたみたいだ。


「新発売のやつ!美味しかったから陽にも買ってきたんだー。あっ、もちろんおじさんとおばさんにも買ってきたのっ」


ニコニコしながらそう言う花音。


この笑顔が明日は横田のものになるのか?


この笑顔が向けられるのは、俺だけじゃなくなるのか?


「……陽?」


ボーッとしていた俺を花音が不思議そうに見る。


「あ、ここのドーナツ美味いよな」


「そうだよー!陽達も来ればよかったのにー」


拗ねたような口調で言う花音。