別に、花音と横田のことを応援しているわけじゃない。むしろ、上手く行って欲しいだなんて思ってもない。
だけど……
「悪ぃ、花音」
横田が俺達のことを見ている。
「今日はやめとく。テツが話があるからその話聞くんだ」
そんな横田に悪い気がして、せっかくの誘いを断ってしまった。
「俺、お前に話があるとか言った覚えないんだけどなー?」
花音達と別れた後、テツが呟く。
「嘘も方便。後ろに横田いたし、悪いかなって思って断った」
「変なとこで気ィ遣うよな、お前って」
少し大きな石ころを蹴る。
「だって、横田に変な誤解されたら嫌じゃん」
告白した相手が他の男といるなんて、いい気はしねーだろうし。
「お前って本当バカだな」
気がつけばテツとの分かれ道。テツは短い言葉を残し、右手を挙げて家路へと歩き出した。バカとはなんだ。
でもな、テツ。俺バカだけど期待してんだよ。ドーナツ食いに行った花音だけど、帰りに俺んとこに来てくれんじゃないかって。


