花屋のおばあさんが選んだあのバラには、もしかしたら、素直になれる魔法が入っていたのかもしれない。
だって、麻央が素直過ぎる。
俺の心臓がもたないんだけど。
「なおから来る電話とかLINEを楽しみに待ってる自分がいるし、それで学校も頑張れるし、いつだって会いに行きたいのに、約束もなしでイキナリ会いに来てくれてすごく嬉しいの」
「麻央」
「言ってなかったっけ?バイト入った頃から気にしてたんだよ、なおのこと」
嘘。それ初耳っすけど!?
「なおは年上だし、どうせ年下には興味ないだろうって思ってたから、アタックされても遊びなんだろうなとしか思ってなかった」
あんなに真剣にアタックしてたのに!?
「だから、今、こうして誕生日も一緒に過ごせるようになって、なんて言うの、胸がいっぱい。いや、幸せ?」
今気づいたけど、麻央の手にはまだ1本のバラが握られていた。
なに、このカミングアウト。
ズルイって、麻央。


