~Special Short Story~




……今さらか。


「ごめん。あれ、ワザと遮った」


「なんで」


「聞きたくなかったし」


「え」


「どうせあたしを泣かすようなこと言うんでしょ、絶対」


俺、そんなことセリフ考えてたっけ?


柵に手をかけて夜景を見る麻央を見ながら、そんなことを考える。


「俺、そんなに麻央の胸にくるようなこと言ってる?」


ちょっとだけ調子にのって聞いてみる。


「いや、全然」


ほら、こうやっていつもの調子で返される。


「なお自体が困る」


え、何その迷惑発言!


「なおがいるだけで、泣けてくる」


麻央の横顔を盗み見すると、麻央が不意に俺の方を向いた。


「ねぇ、知らないでしょ?あたしがどれだけなおのこと好きか」


そう言って少しだけ笑った麻央。


「なおは自分ばっかりがあたしのこと好き過ぎてるとか思ってるけど、そんなことないから。むしろ、あたしの方がなおより好きが上だよ」