「なおが近くにいるからってのも、理由の1つなんだよ」
クソー、なんでこういうことを運転中に言ってくれるかな。
抱きしめたくても、抱きしめらんないじゃん。
俺は左手を麻央の右手に重ねる。麻央の小さな右手が俺の左手に指を絡める。
「ありがとう」
「気づくでしょ、普通」
「いや、そんな理由が入ってるとか分かんなかったし」
「そういうところ、本当鈍感だね」
うっ。
痛いとこをつかれた。
なんでヘコみながらも、左手に感じる温もりが愛しい。
「やっぱりココから見る景色はいいね」
南公園に着き、俺達は車から降りて、夜景が見えるいつもの定位置へ向かう。麻央の言葉に頷きながら、ズボンのポケットに手を入れた。
……あ、やべ。
まだプレゼント渡してねぇじゃん!?
麻央の言うように、俺って本当鈍感過ぎっしょ。
「ま、麻央」
おそるおそる麻央を呼ぶ。
「あのさ、さっき」
「ごめん。さっき家で抱きしめられた時、なお何か言いかけてたよね?あれ何だった?」


