「なに、そんなこと思っててくれたの?」
「悪い?」
俺、自惚れるよ?
「全然。むしろ嬉しい」
麻央が俺のことを考えてくれてるんだって、安心するんだから。
麻央が俺のことをちゃんと好きなんだって、そう解釈するんだから。
「そんなに俺、今日カッコイイ?」
「その格好だからかな。カッコイイよ」
ズキューン。
カッコイイって……いつも言わない麻央が言ってくれた。今日嬉し過ぎて
ってオイ!普通は誕生者が喜ぶのに、なんで俺が喜ぶ側になってんの。
「俺、麻央のこと置いていく気ないよ。ていうか、俺こそ」
「タキシード姿、写真撮っていい?」
え。
「お、おう」
「部屋からスマホ取ってくるね」
ゆっくりと麻央から離れる。
俺、話の途中だったのにフツーに交わされたぞ。
そのことに麻央は気づいているのか、それとも無自覚なのか分からない。何事もなかったのように、家の中にスマホを取りに行ったから……無自覚、か。


