「なんでサプライズした側がメソメソしてんの?」
「だから」
「あたしにも泣かせてよ」
へ?
俺の涙はすっ止まった。
「なお、バカ」
「えっ?」
バカ?
「何なの。いつもおちゃらけてるし、あたしより子どもみたいなとこがあんのに」
あの、俺一応麻央より年上な?
「それなのに、タキシード着て来てくれて、バラとか似合わないことしてくれて」
これって、俺、貶されてんのかな?麻央からの愛の矢がグサグサ胸に刺さる。
「こんなことされると、なおが年上だなって、大人だなって思うんだよ」
麻央?
「大人ななおを魅せられるとさ、自分の子どもっぷりを思い知る。なおに追いつきたいのに全然追いつけないんだよね。何だろうなぁ、超悔しいの」
見間違いじゃないよな?
麻央が……泣いてる?
「もうそれ以上カッコ良くなんないでよ。先行かないでよ。追いつけないんだよ、バカ」
言葉をかけるよりも先に、麻央を抱きしめていた。


