「加治木さん、ちょっとこっち来て」
すると、目黒くんに右手を引かれて、教室から人気のない廊下へ連れられる。
「め、目黒くん?」
「俺さ」
そう言って、あたしの前を歩いていた目黒くんが振り返った。
「加治木さんが好きなんだ」
な、ななななんと、突然の告白だった。
「同じ電車で見かけるようになって、少しだけど話もするようになって、加治木さんのことが好きだなって思って……いつか告白しようって思ってた」
ビックリしすぎて声が出ない。
「でも、あのいつもいる先輩が、加治木さんに近づきだしてから焦って……」
「それって香山先輩?」
「うん。だから、今日の放課後告白しようと思って声かけたんだ」
うそ、あたし達……両思いだったんだ。前までのあたしなら、絶対喜んでオッケーしてる。結構デレッデレになりながら。
でも、今は違う。
「目黒くん……ごめんなさい」
目黒くんのことは好き。だけど、その上をいく相手がいることに気づいちゃったんだ。
「あたし『香山先輩のことが大好きだから、目黒くんとは付き合えなーい』」
え?
今、あたしの声が誰かに遮られた?
「目黒くん、今何か言った!?」
「お、俺じゃなくて……」


