だって、気がつけば隣に香山先輩がいたから。香山先輩にバカにされるけど、楽しくて。笑ってて。居心地がよかった。
それに、香山先輩が矢城先輩と話してるところを見ると……嫌な気持ちになっちゃうし。
あれ?あたし、香山先輩のこと……
「起立、礼」
ホームルームが終わった。と、同時にあたしは教室を飛び出してある場所へ向かった。
「め、目黒くん!」
目黒くんの教室だ。
「加治木さんっ。なんでここに……」
「はっ、話があって!」
目黒くんのクラスもホームルームが終わったばかりなのか、まだ多くの生徒が残っていた。
「わかった。話なら俺もあるから今から」
「そうじゃなくてねっ。その……放課後の約束なんだけど……ごめん!」
そう言ってあたしは頭を下げる。
「加治木さん?」
目黒くんが困ったのようにあたしの名前を呼ぶ。
「きゅ、急用ができたので」
あたしにとって大事な急用。大好きだった目黒くんとの約束をブチって、あたしにイキナリ告ってきた香山先輩に会うこと。


