「目黒のことが好きなのは知ってる。だけど、お前が少しでも俺のこと意識してくれてるなら俺は期待するから」
そのまま手が離され、香山先輩は何もなかったかのように歩き去った。
そうだった。
放課後、目黒くんに誘われてたんだ。
香山先輩のせいで忘れてたよ。
「シズ、サヤ~」
教室に戻ったあたしは、お弁当を食べながら2人に助けを求める。
「泣きそうになりながらもご飯は食べるのね、未紀って」
「ほんとにね」
「栄養つけなきゃ体もしんぞーももたない~」
一気にいろんなことが起こりすぎて、整理できない。
「今日目黒くんと待ち合わせするけど、香山先輩から告白されて頭はパニック状態なう」
「うん」
「未紀は目黒くんのことが好きなんだよね?」
「うん」
「じゃあ、香山先輩のことはお断りしていいんじゃない?」
「…………」
どうしてだろう、頷けない。
あたし、目黒くんのことが好きなはずなのに。
いつも目が合うとドキドキして昨日も、目黒くんと話ができて嬉しかった。
だけど、前みたいに目黒くんを追っかけていない。


