「そういう間抜けな顔とか、うるせーリアクションとか」
香山先輩があたしを……?
「ちょ、ちょっと冗談やめてくださいよ」
「冗談じゃねーよ」
香山先輩があたしへ視線を向ける。
ドキドキ。
あれ、なんでドキドキしてんの、あたし。
「かっ、片思いの二股じゃないですかっ。ほら、あの矢城先輩がいるじゃないですかっ。あ、あたしもう今頭が爆発しそうなんで帰りますっ!」
この場にいることなんて、しんぞーがもたない。一方的に話してあたしはその場を走り去った。
「おい!6番!」
香山先輩が叫ぶ声が聞こえるけど、無視!
「はぁっ、はぁっ……」
駅まで猛ダッシュしたのは初めてだった。明日は筋肉痛になっちゃうんだろうな。
「なんなの……さっきの」
改札を抜けてボーッとしながら電車を待つ。
香山先輩があたしを……?
そんなの知らなかったし、それにいつそんな素振りを見せたっけ?
あぁ、頭ん中ぐちゃぐちゃだ。
「ついに転機が訪れたね」
次の日のお昼休み。シズとサヤがニヤニヤしながらあたしを見る。2人には昨日、ラインで状況を報告していたのだ。


