少しずつ目黒くんに近づけたらなって思っている。だから、たまに他の子に混じって、サッカー部の練習を見に来たりするんだ。
「それ、もうアイツに気持ちバレてんじゃね?」
「え!?うそ、どうしよう!?」
「さぁ。それはそれでいーんじゃね?」
そう言いながら、香山先輩が立ち上がる。
「帰るんですか?」
「おー。お前の暑苦しい恋バナ聞いてたら腹いっぱいんなった」
そのままスタスタ正門へ向かった香山先輩。
変なの。
そう思っていると、誰かがあたしの前に走ってきた。香山先輩の好きな人だ。
「あの、今のって香山くんだよね?」
女の先輩に話しかけられたあたし。
「そうですけど……」
「もう帰っちゃったかな?」
「そうみたいです」
一瞬にして顔を曇らせた先輩。
「そっか。ありがとう」
困ったように笑った先輩は、再び部員の元へ駆けていった。
フッた相手が練習を見に来てて、迷惑だったのかな?
そう思っていると、ふと目黒くんと目が合った。
ドキドキドキドキ
目黒くんが小さく手を挙げてくれた。あたしも小さく右手で手を振り返す。
やばい、嬉しすぎる。
もう今日の夜ご飯いらないよ!


