~Special Short Story~




「ちょっとちょっと未紀!」


朝。眠い目をこすりながら教室へ入ると、サヤがあたしの元へ飛んできた。


「さっき、昨日の先輩から伝言受けたよ!」


「昨日の先輩?」


「ほら、あの生徒手帳の!」


「……あぁ」


朝から何事かと思えば。


「バレたくなければ放課後靴箱で、だってさ!」


バレたくなければ?


…………もしかして、目黒くんへの恋心のこと!?


「んもー!ムカつく!」


あたしはカバンを机へ投げ、教室を後にした。向かう先は、先輩達のいる棟。


なんなの、なんなの!?


生徒手帳を返してくれたと思えば、まだあたしに何かあるの!?


「って、クラス知らないじゃん」


名前しか知らないから、怒鳴り込みに行けないじゃん。でも、先輩達の教室があるところには来たし、通行人のフリをして見つけてやる。


一息ついたあたしは、1クラス目を横目に見て通り過ぎた。はい、いない。2クラス目も通り過ぎるが、香山先輩はいない。


んぬぅ!次こそ……