~Special Short Story~




「で、例の片思いの奴とはどうなってんの?」


生徒手帳に書いていたことを読んだからか、あたしの恋を聞いてくる先輩。もう、今その話題は出さないで欲しいのに。


「どうもこうもないもん。クラス違うしあんまり話せないし、おまけに好きな人いるらしいって新情報まで入手しちゃって……はぁ」


あぁ、今日初めて会った人に何をベラベラ話てんだろ、あたし。


「すみません。今の話流してくだ……」


「その思いをまた生徒手帳に書くのかー」


あちゃーと残念そうな顔をしつつも、少しだけ小馬鹿にしているように見える先輩。


……まぁ、図星だけど。


「笑いたければ笑ってください」


「はっはっは!お前残念だったなー」


ムカッ。


「ちょっと、そんなに笑わなくても!」


「思いを書いてるだけじゃ何も伝わんねーし、関係も変わんねーよ」


そんなの言われなくても、分かってるもん。


「あんたに言われてもムカつくだけ」


「あんたじゃなくて、香山な。俺、香山だから」


別に名前とか知らなくても良かったんだけど。