涙を堪えながら麻央からコーヒーを受け取る。麻央からもらえたコーヒー。こりゃ、しばらく飲めねーな。
「お礼は?」
「はいはい」
俺達の中でたまにあるこの『お礼』。俺は麻央の後頭部を支えて、窓から顔を出し、麻央に口付けた。
キスする時のドキドキする気持ちは、付き合い始めてからずっとある。少なくとも、俺は。
「ていうかさ、その格好どうしたの?」
口付けた後、麻央が首を傾げながら俺に言う。
…………あ、しまったぁっ!!!
俺の計画では、家の中から出てきた麻央からに、サプライズでこの格好を見せようと思ってたのに!あぁ、台無しだ。
でも……
「麻央!目を瞑れ!」
「は?」
「い、いいから!な?」
イキナリの俺の発言に怪訝そうな表情をする麻央だが、渋々目を瞑る。
「これでいーの?」
「いい!ちょっと待てよー?」
俺はそそくさとプレゼントをスボンのポケットに入れ、背後に花を隠しながら車のドアを開けて外に出る。


