「その猫…捨て猫だな…由季どうしたい?」 信は猫を抱き抱えて私の方を向く。 「どうしたい?って……その…」 私はチラリと猫を見る。 猫は何?と、でも言いたそうに首をかしげる。 「か、飼いたい…」 そのしぐさにやられた私は照れ臭そうに呟いた。 「じゃあ決まりだな…よかったな猫…」 信は猫を高くあげて微笑んだ。 その姿に私は小さく笑う。