「由季……」 「?何?」 玄関に入ると信が私の名前を呼んだ。 それだけで私は嬉しかった…が、 「いや、何でもない…部屋に戻るわ…」 「……そう。じゃ、あ」 そう言い信はそのまま部屋へと向かった。 私も靴を脱ぎ自分の部屋へと向かう。 そして、ベッドへ倒れ込み目をつぶる。 すると、鮮明な思い出が頭に浮かぶ。 『……好きなんだ…由季も好き?』 『二人で楽しい“思い出”作ろうな…』 幸せだったなぁ…あのときは…けれど…