二人取り残された私の部屋。



チラッと信を見つめる。
もう、遠慮はしない。


「信、あの、」


信に話しかけた瞬間、視界が暗くなる。



「信?」


「由季……」



理由は信に抱き締められてるから。
懐かしい香りが私を包み込む。




「ごめんね、信。私、ちっとも信の気持ちを理解できなかった…ごめんなさい…」


話すと同時に涙が流れていく。




「俺も、由季の過去を知る勇気すらなかった、そのため傷つけた…ごめん」




謝りながら抱き締める強さを緩めない信。




「好きだよぉ……好きだよ信、」


気持ちが溢れて仕方がない。



「俺も、好きだよ…由季が好きだよ…本当は別れたくなかったよ…」