「だから、俺は由季達を試したんだ…由季と再開した時は驚いたよ…だけど、由季は彼氏がいるのにも関わらず俺との過去に囚われすぎ…」
恭くんはチラッと私を見つめる。
「二階堂は、相手の幸せのために別れを告げる…あそこでまさか、あぁ鳴るとは思わなかったよ…だから、俺は最終手段を使ったんだよ…それが」
「本当の気持ちを相手に気づかせるため…だろ?」
そこで琉くんが口を開く。
恭くんは一瞬驚くがやがて、フッと微笑む。
「あぁ、そうだよ…これで、俺の役目は終わりだ…それと、この写真」
恭くんは私の目の前でビリッと写真を破いた。
「もう、必要ないはず…」
そして、恭くんは私に背を向けて部屋から出ようとするが、立ち止まり…
「由季、幸せになれよ…ありがとう」
こう言った。