「由季………」 そんな由季の笑顔に私は苦しくなった。 由季には笑ってほしい――。 その日は結局、何にも起こらずに終わった。 帰り道、私は琉と一緒に帰っていた。 「二人とも元に戻るわよね…」 心配になり私は琉に聞いてみる。 「、、分からない…」 だけど琉は苦痛の笑みで私に答えた。 だけど、可能性があれば信じてみたいの…。 ほんの僅かな可能性が……。 「じゃあな…夏実、また明日」 「うん、じゃあね…」 私と琉は途中で別れる。