周りを見れば暗い。



どんだけ泣いたんだろう。
私はまた信を傷つけた。



サイテーすぎる。




自分の家にも帰りづらい。
だからと言って夏実には迷惑をかけられない。



取り合えず私は学校から出て宛もなく歩き回る。



『俺ら、別れよっか…』



この言葉が頭のなかでぐるぐると巡る。


―――――ドンッ…




「あ、すいません――」



気が付かず誰かにぶつかり私は咄嗟に謝る。
だけど、その人は何処かで見たことがある人だ。



「由季?」



ほら、ね……。
この声は……



「恭………く、ん…」