俺は無言で由季のタンスに目を配る。
そして、意を消したようにタンスの上に置いてある鍵を手に取った。
そして、鍵穴に差し込み回すと……
――――カチャ…
空いた音がなった。
そこを開けると中には村道の予想通り…
ストラップや、何らかのチケットとかが入っていた。
そして、奥底を見ると…
一枚の写真――――。
手に取って見ると嬉しそうに笑う由季と、
その事に嬉しそうに微笑む村道の姿が写っていた。
それを見た瞬間…由季が俺に言えない理由が嫌でも分かる。
俺にはまだ、由季の知らないことが沢山ある。
その現実を突きつけられた気がした。
そっとタンスに戻して鍵を掛ける。


