「だーかーらー!行ってきな!二階堂くんに会いに!」



夏実は私の背中をトンっと押した。
それと同時に私は勢いで一歩前に出る。



「ありがと!夏実っ!また後でメールするね!」




そう言うと私はケータイを片手に走り出す。
そして――――




「もしもし?由季です…え~と…ごめんね…今から会いたいな…なんて…え?うん、分かった…また後でね…」




ケータイを閉じると私は信のところへ向かって再び足を進めた。